DP2Merrillのの基本をチェック
被写界深度とボケ味
DP2Merrillの被写界深度の実験である。
絞り優先[A]モードに切り替えて絞りをマニュアルで変更して撮影してみた。
まずはF16で固定しニチニチソウの白い花を撮影してみる。
絞りを絞ることで被写界深度が深くなり、焦点が前後にずれてもピントは合いやすい。
f/16 1/50sec ISO-100 30mm
このカメラの絞りを最大に開けて撮影してみる。
F2.8に設定して同様に撮影してみる。
ピントの被写界深度は短く、花びらでさえ少しピントが外れているのかもしれない。
被写体のいらないものはボカして見せたい部分だけ際立たせることができるので、面白い写真が作れる。
絞りを開いた分シャッタースピードは短くなり1/250秒と1/5の短さになる。
焦点距離は単焦点なので30mmに固定されているが、被写体とカメラの距離が若干異なっているために画角が違ってしまっているのはご愛嬌。
f/2.8 1/250 ISO-100 30mm
接写の性能だけど、このくらいが限度のようだ。
やはり、レンズを交換できる一眼レフのようなボケを期待するほうがおかしいか。
だけど、このくらいのボケならば可能である。
DP2Merrillのを使う方にはこのように使う人はいないと思うけれど。
高感度特性ISO感度
下の写真は、明かりがほとんど入ってこない廊下の突き当たりに 和紙に覆われた白熱電球のスタンドと和傘を撮影してみた。
SIGMA DPシリーズに使われているセンサーであるフォビオンは暗い所は苦手とされていている。
どれだけの画像が得られるのか試してみたかったからだ。
出来上がった画像をみての感想は、思っていた以上に良く撮れていると感じる。
初期のDP1の時はもっとノイズが発生して色彩も不自然になったけれど、Merrillのセンサーは良くチューニングされていてかなり良くなったと言える。
撮影は手持ちで手振れを防ぐためにISO感度を800まで手動で上げている。
f/3.5 1/40sec ISO-800 30mm
上の写真の一部をピクセル等倍に切り出してみた。
細かなノイズは少し発生しているけれど悪くないと思う。
ISOは800あたりが観賞に耐える限界かもしれない。
暗い景色はどうだろうか?
下の写真は、室内から窓ガラス越しに手持ちで窓に密着させて撮影した東京スカイツリーの夜景である。手持ちだけど、窓ガラスに固定したのでシャッタースピードは無視できたので低感度での撮影である。そして、その下の写真が一部をピクセル等倍に切り出したものだ。夜間の撮影は苦手だけど、ISO感度を上げなければ思った以上にノイズは少なく、一眼レフカメラにも負けないしっかりとした画像になることが判明した。だけどシャッタースピードは3.2secと動いている被写体は完璧に無理であることも付け加えておかなければならない。
f/2.8 3.2sec ISO-200 +0.3ステップ 30mm
まじか?
思った以上に、よく写っているじゃん!
逆光特性はどうだろうか?
ホテルから朝食を食べる時に窓からガラス越しに撮影している。
太陽光で逆光になっているので窓のサンに太陽を隠して町の様子を撮影してみた。朝の雰囲気が出ていると思う。
DP2 Merrill本体が出力するjpeg画像では、ここまでの画質を出力することはできないけれど、RAWデーターがあればパソコンで扱いの難しいSIGMA Photo pro5を使って画像を調整しながら好みの写真を作ることができる。
これはほんの一例にすぎず、味のある面白味のある写真が作れるのもこのセンサーの魅力かもしれない。
特に、元の画像にノイズが少ないのでシャープネスを強くしてもノイズが目立たないところと、jpegだと明るくて空の色がとんでしまった場合でもX3 Fill Lightを+に上げることで空の色を青くすることも可能だ。
やりすぎはほどほどにしないと不自然だけど、また、その不自然さが面白い効果を生むこともある。
DP2 Merrillは、景色を切り取るには最強のカメラの一つで、一眼レフカメラを持ち運ぶ負担を考えればとても軽快に行動できる。
ただ、その特性を理解しなければならず、暗いところでは手振れだらけで、人を写すにはレンズも感度も合っていないと感じる。
ただ、充分な光をセンサーに取り込める場合は、一眼レフをも超えるのではないかと思われる画質に驚嘆し、そして、満足する。
そして、まんまとシグマの策略にはまるのであった。
f/6.3 1/320sec ISO-100 +0.3 30mm (Photo pro5にて画像調整)
SIGMA Photo ProというRAW現像ソフトについて
DP2 Merrillにて撮影の時にRAWデータの保存を行い、パソコンで現像作業を行うことで画像にある程度自由な設定をすることができる。
本来ならばカメラ本体が自動で処理する部分を人の目で判断することで、より実際に近い映像が再現できる。
さらに、不自然な画像にも変更できる。
下の2枚の画像は、 SIGMA Photo Pro6にて現像作業をおこなったものである。
一つ下の画像はAUTOで現像し、もう一つ下の画像は、少しマニュアルにてパラメーターを変更してみた写真だ。
注目して欲しいのは、空の雲の部分である。
撮影した日は雲が多く太陽光は少しすくないかなとう状況だけど、少し空の青い部分があったように思っていた。
オートにて現像してみると空の部分は白いだけの味気ない写真になるけれど、パラメーターを少し変更するだけで、くもの形や空の青い部分が見えるようになる。
このカメラの醍醐味は、この現像作業をすることも楽しみの一つとなるのだ。
だが、一つ問題なのが、自分のjパソコンのスペックが低いのか、それともSIGMA Photo Pro6のアプリが良くないのかわからないけれども、動作が非常に遅いことだ。
たくさんの枚数を撮影される方は、途中でいやになってしまうだろう。
だけど、フィルムの感覚で現像を楽しむのであれば我慢できる範囲かもしれない。
写真の右上の空と葉っぱの部分を拡大してみると、空の様子が一目瞭然で変化しているのがわかる。
また、葉っぱの辺縁がや色が空の光の影響を受けて詳細に描ききれていないのが、センサーから直接得られるRAWデーターには含まれているので、上手く現像のパラメーターを調整することで目で見たときと同じような写真を作ることができるのだ。
よく、FoveonはRAW撮影をすべきと言われるのは、写真という趣味はフィルムを自分で現像することでさまざまな効果が期待でき、好みの写真を作ることができるのと同様の過程をシグマの開発者が望んでいるからかもしれない。
DP2 Mwrrillというカメラを味わい尽くすには、撮影から現像まで、カメラの特性を知って一枚一枚じっくりと撮影して、好みの絵が得られるまで細かな現像のパラメーターを選んでいくよう必要があるのだと思う。(SPP6=Sigma Photo Pro 6)
撮った写真を作り込めるのは、とても便利ですごいのだが、
たくさんの時間を要する作業になるので、面倒くさいですね。
サンプル写真 SIGMA DP2 Merrill
