水平対向エンジンの点火プラグ交換
ガソリンエンジンの点火プラグ交換は、直列エンジンの場合は、プラグがエンジン上に付いているので簡単にアクセスできますが、水平対向エンジンの場合は、エンジンルームの横側になります.
さらに、DOHC 4 バルブなので、燃焼室の中央に点火プラグが位置するために、エンジンルームの真横から手探りで交換することになります.
さらに、エンジンのヘッドとエンジンルームのボディサイドのスペースは、とても狭いのが難点となります.
さらに、さらに、点火プラグの位置が低い位置にあり、エアクリーナーボックスやバッテリー等も撤去する必要があります.
水平対向エンジンの点火プラグの点検や交換をする作業は、修行のようなものですね.
最適な工具を考える
点火プラグの交換くらい、億劫にならないくらい、簡単にできる方法と工具があれば良いのではないかと考えました.
下の図は、シリンダー番号4番 左後ろ側の点火プラグの交換に必要なスペースを表しています.
シリンダーヘッドカバーとボディまでのスペースは 約35mm 、点火プラグの穴の位置は少し凹んでいるが、それでも 約40mm しかありません.
当然、点火プラグは目視できず、手探りの操作となるのです.

点火プラグのネジが外れると、残りのエクステンションとエンジン内ボディサイド面とのスペースは14mm程度になる、
ラチェット機構が仇になるので注意!
点火プラグソケットとエクステンションバーを足して約130mm(128mm)の場合、エクステンションバーとボディの距離が
点火プラグが装着された状態で約 30mm 、
点火プラグをゆるめてネジが外れる所で 14mm 程度
しかなくなります.
点火プラグをラチェットハンドルで軽く緩めるだけの位置で、ラチェットハンドルを外すのも難しい40mmの空間です.
狭いスペースでネジを回せる工具の組み合わせ考察

写真は、EJ207 GDB-Fの左側(助手席側)後ろ(4番シリンダー)の点火プラグに点火プラグソケットと短いエクステンションの合計の長さ約130mm(128mm)を入れて、ソケットがプラグに噛み合った時の状態です.
エクステンションバーがシリンダーヘッドカバーの端面から約 5 – 8 mm くらい出ている.
点火プラグがシリンダーヘッドに刺さった状態で、シリンダーヘッドカバー外側の面までの長さが計算上、大体 120mm ぐらいになるのかな.


点火プラグを回して約15 – 16 mm 抜けてくると、点火プラグがシリンダーヘッドから外れます.
厚みのあるラチェットを使うと、ラチェットの厚み( 14mm )と差し込む長さ( 11mm)があるので、点火プラグがシリンダーヘッドから外れた位置で、エクステンションとラチェットハンドルの角ドライブを脱着できるスペースが足りなくなりす.(ロックできるラチェットハンドルの場合、ボタンを押すスペースも必要です)
普通のラチェットハンドル(厚みが14mm)で点火プラグをゆるめるだけでボディとのスペースは 30 mm 以下となり、ラチェットハンドルの厚み 14 mm 、差込長 11 mm、残り 5 mm以下のスペースでロックを外す必要が生じます.
他のサイトで使用していたフレキシブルジョイントを使う方法もありますが、その先のボディ側の上のスペースには何やら邪魔な金属の配管があるので、意外と面倒です.
そこで、厚みの少ないラチェットメガネレンチでゆるめる方法が良いのではないかと考えました.
ラチェットメガネ用ドライブ角アダプタ(KTC)は、14mmのラチェットメガネレンチにソケットレンチを組み合わせることができるドライブ角アダプターです.
メリットは、ラチェットハンドルの頭よりもラチェットメガネは薄いので、狭いスペースには有利です.
ラチェットメガネ用ドライブ角アダプタには、普通のラチェットハンドルのように、後ろのボタンでソケットをロックできるようになっています.
小さいけれど、凝った作りになっています.
ただし、プラグ交換の時は、メガネレンチが外れづらいのでロック機構がない方が良いかもしれません.

ラチェットハンドルのヘッドの厚みは14mm
自分が使用しているシグネットのラチェットメガネは8mm
でその差はたったの6mmです.
この 6 mm が狭いところで使うには有効になります.

点火プラグのネジの長さが16mmくらいあるので、点火プラグを緩めて外すとラチェットメガネがボディとギリギリまで近づくので注意が必要です.
私のインプレッサ GDB-F のEJ20エンジンでは、この組み合わせでラチェットメガネレンチをつけたまま点火プラグをギリギリ外す事ができましたが、安全を考えるとプラグをゆるめてから、ラチェットメガネを外して指でエクステンションバーを回す方が良いかもしれません.
ラチェットメガネレンチは便利ですが、ネジを反対に回したい時は、一度ネジから外して反対の面に変更が必要です.
狭い場所で、ラチェットメガネレンチでスペースがなくなるとネジを反対方向に回せなくなって、ニッチサッチもいかなくなるので、注意してください.

点火プラグを外す前の状態をシュミレーションした.
ラチェットメガネ用ドライブ角アダプタ(KTC)と同様の製品、トネ(TONE) ラチェットめがね用アダプター RA3 差込角9.5mm(3/8″)が安価でありました.
差込角が9.5sqに合うラチェットメガネのサイズは
- KTC 14 mm
- TONE 13mm
になるところが異なります.

EJ20点火プラグ交換
水平対向エンジンの点火プラグの交換はエンジンに合った工具が必要になります.小さなスペースで最適と考える工具で交換してみました.
9.5sq のエクステンションバーで全長が7.5cmのHEXヘッド16mmは、エクステンションバーに6角のネジの頭の加工がされていて、エクステンションをダイレクトにメガネレンチやスパナで回すことができます.
16mm サイズの工具は、珍しいので新規に購入することになるのがこの工具の組み合わせの欠点です.

AP022436 & AP023330
「TONE の 16mm の点火プラグのソケット」と「AP 3/8DR エクステンションバーHEXヘッド 75mm」組み合わせれば、GDBのEJ20の場合 HEX の部分5mm程度ヘッドカバー端面から出る計算です.
問題点は上にも記しましたが、ちょっと珍しいサイズ 16mm のラチェットメガネレンチを持っているかどうか
もしも、16mmのラチェットメガネを持っていないのであれば、アストロプロダクトの16mmの首振りラチェットメガネレンチを同時に購入するのが良いかと思います.
アストロプロダクツのお店で買うか、楽天市場で買うこともできます.

先にも書きましたが、インプレッサGDB-F の EJ20 の左後ろ側の点火プラグの脱着スペースは 40mm 程度しかありません.
EJ20の左後ろ側の点火プラグの図を段ボール紙に書いて、工具をセットして置いてシュミレーションしてみると、いい感じで収まりました.
この組み合わせで点火プラグをラチェットメガネで緩めるだけなら余裕でエクステンションバーから切り離すことができるし、少し狭いですが、点火プラグが外れた状態でも、15mmの余裕があるのでラチェットメガネをエクステンションバーから切り離せます.
注意: ここにある数値は車体の個体差があるので、十分に検討する必要はあります.
アストロプロダクツの エクステンションバー(AP022436)とラチェットメガネ16mm(AP023330)の組み合わせは EJ20の点火プラグ交換には最適と思います.
この場合も、安全を考えるとラチェットメガネレンチは点火プラグをゆるめるだけで、取り外してエクステンションバーを回してプラグを外すのが良いと考えます、が点火プラグが外れる位置でも、ラチェットメガネを簡単に外せるスペースを確保できます.
また、先っちょの6角形状は、指でエクステンションバーを回転させる時に少し指先が引っかかるところも良い点です.
結論 EJ20 のプラグ交換の最適な工具
②AP 3/8DR エクステンションバーHEXヘッド 75mm
16mmの点火プラグソケットに アストロプロダクツの「AP 3/8DR エクステンションバーHEXヘッド 75mm」+「AP 16mm コンビフレックスラチェットレンチ」の組み合わせが良さそうです.
2022/11現在 アストロプロダクツの製品はAmazonにはありませんでした.
アストロプロダクツのお店で買うか、楽天市場でお求めいただけます.

EJ20点火プラグ交換
水平対向エンジンの点火プラグの交換はエンジンに合った工具が必要になります.小さなスペースで最適と考える工具で交換してみました.