中古グースを買ってから初めて往復100km程度のツーリングを連れのスカイウエイブ(スズキ250)としてきた。
行く前に、エンジンオイルのチェック(サイドスタンドのままキャップを取ったら少しオイルがあふれたけど)とガソリンハイオク満タンで万全の準備をしたつもり。
また、すこし埃がかぶっていたので簡単に掃除までして出かけた。
走り出して10kmくらい走行したところで、エンジンの3000~4000回転数あたりで、もたつく感じが強くなってきた。
もたつくけれど大きくアクセルを開けていくと一応エンジンが反応するので、だましだまし走行するのは可能である。
途中20km走行したところで、トイレ休憩をとったときもエンジンの始動はセルで2回ぐらいでエンジンは目覚めたので、重症ではなくキャブのセッティングが合っていないのか、吸入系の途中で空気を吸っているのかとあれこれ考えながら走行した。
山道にさしかかり、登りのワインディングロードだけど、エンジンの調子が良くないので連れのバイクの後ろをゆっくりと走行することにした。頂上から同じ道を戻る時は、自分が先導することに、下りなので途中でエンジンが止まっても何とかなるかなと考え、少しペースを上げて走行すると、アクセルを大きく開けていく走りでは昨年よりもエンジンの感じは良い(6000~10000回転で加速時はアクセルはほとんど全開)。
スムーズに10000回転まで回るし、振動も少なく感じる。
コーナーリングは、スズキらしい柔軟性のあるライン取りがこのバイクの良さでもあり欠点でもあると感じる。
ヤマハのバイクは、コーナーの進入で8割方決まってしまう傾向があり、進入が決まれば立ち上がりはエンジン全開でも安定性がたかい。
しかし、グース250は、コーナーのラインを変更するのが比較的簡単だけど、反対に安定性が欠ける傾向があるためにコーナーの立ち上がりが少々不安定に感じる。
まあ、自分のグース250は、フロントもリアもサスはフアフアなので安定しないのは当たり前なのだけど。
本当は、タイトなコーナーの進入でブレーキングの後の倒しこみでペタンとバンク角ぎりぎりまで一気に倒れこむのが好みだけど。
帰りの途中でソフトクリームを食べるために寄ったところで、出発する時にエンジンを始動させアクセルをあおったところ排気ガスが黒いことに気が付いた。
これまでは、気が付かなかったのかわからないけれど、エンジンの調子が悪いのと関係があるのかもしれない。
まずは、点火プラグの状態を確かめて、次に前回清掃を行ったキャブの調整をしてみるしかない。
心当たりは、キャブレターを掃除した時に、ジェット類の調整が狂った可能性が非常に高いのだろうと思う。
まずは、サービスマニュアルで正規の値でセットしてみるかな(実は自信がないけれど)。

キャブレターを外すには、キャブとエアクリーナーを固定するバンドのネジを緩めて、インシュレーターとエンジンを固定してあるネジを6角レンチで緩めて外す。

ここで点火プラグの点検をすると、思っていた通りの状態である。電極もガイシも真っ黒である。

前回は、じっくりとキャブの観察はしなかったけれど、今回は慎重に整備する予定だ。
キャブレターの形式はサービスマニュアルにはBST33と書いてあったが他の箇所には47D5と書いてあった。前回のキャブの掃除で多少は汚れを落としたのでまずまずの状態だ。

キャブを外して買った時のパイロットスクリュ-の初期状態を確認すると3回転くらい締めこむことができた(前回は全く触っていない)。
マニュアルには1.5回転と書いてあるのでその通りに調整した。

メインジェットやニードルバルブは分解してキャブクリーナーで洗浄してから組み付けた。(まあ、前回キャブクリーナーで洗浄したので十分にきれいなフロート室であったけど)
パイロットジェットは取り外すのが面倒だったのでそのままで洗浄だけする。(そのほかの部分は分解洗浄をした)

エンジンの調子とは関係ないが、燃料タンクを外したついでに、タペットカバーが醜く錆びていたので、簡単に磨いてみた(オフセットサイザルと赤棒とディスクサンダーを使用)。
バフがけまでしていないけれど結構きれいに変身した。(でも良く見ると傷だらけだが)

実際に取り付けると、ネジがボロボロなので違和感がありありだ。ネジ類はそのうちステンレスのネジを調達して交換しようと思っているけれど。

今回は、入念にキャブレターの内部を綺麗に洗浄と圧縮エアでゴミを吹き飛ばして、組み立てに入る。調整箇所はパイロットスクリューのみだけど。エアクリーナーボックスの中は、少しオイルっぽかったけれど、中にはオイルは入っていなかった。
エンジンはチョークを引いてセル2発で簡単に始動する。軽くアクセルをあおるとこれまでよりも調子は良さそうだ。
ヘルメットをかぶりちょこっと乗ってみようとサイドスタンドを上げてミッションをローに入れるとエンジンが停止する。
あれ、クラッチが切れていないのかと思ったけど、もう一度アクセルを開け気味でローに入れても同じだった。
原因はサイドスタンドにあるセンサーの誤動作だろうか。
今日はこれでおしまいとすることにした。
しかし、黒い排気はあまり変化ないように感じるけれど、サイドスタンドのセンサーを修理して検証してみないといけない。

PS

後日、サイドスタンドのセンサーからつながる配線をたどってシート、サイドカバーをはずすと外れているギボシを発見する。
エアクリーナーボックスを脱着したときに外れたものと思われる。
ちょっと配線の取り回しが良くないと感じるけど、よく確認をせずに組み立てた自分に反省することに。
外れていた結線をはめると、エンジンをかけてサイドスタンドを上げてミッションをローに入れてもエンジンが停止することはなくなった。
ひと安心!ちょこっと、近所をひと回りしてくることにした。
エンジンの始動性は良く、スロットルストップスクリューで1300rpmに調整したが、アイドリングもこれまで以上に安定している(これまでは安定が悪かったので1500rpm以上にしていたけど)。
軽くエンジンをレーシングしてみると、先日よりもマフラーから黒煙は少なくなったように感じた。
アイドリングで5分ほどエンジンを温めて出発すると、これまで感じていた4000rpmのもたつきが解消されている。
低速トルクもありこれまでよりもずいぶんと好印象である。
これが、ノーマルのセッティングなんだろうと思うけれど、これまでよりも8000rpm以上の高回転はトルクが少なく感じる。
これが、気のせいなのかどうかははっきりとしないけれど、・・・・・。
たしかに、レッドゾーンまできっちりと回るのだけれど。
一回りしてきて排気をみると、黒煙は全く見られず、オイル上がりではなく単純に燃料が濃いセッティングだっただけでホットしている。 本来ならば点火プラグの焼け具合をチェックする必要があるのだけれど、面倒くさくなってきたので、次の機会に見送ることにした。

エンジン不調の原因は、前オーナーまたは前バイクショップがキャブの目詰まりまたは詰まりかけていたために不調を感じ、パイロットスクリューで燃料を濃い目に設定することで目詰まりの部分を補っていたが、しばらく乗らないうちに完全に詰まって始動不能となった。
前回のキャブを分解洗浄した時に詰まっていた部分がきれいに取り除かれたことで、パイロットスクリューの濃い燃料セッティングで4000rpm辺りの回転数で点火プラグがカブリ気味になり、未燃焼ガスが燃焼室やマフラーにカーボンとなって張り付き、排気ガスの黒煙化と中速域の失速となって表れた。
そして、パイロットスクリューを規定の1回転半戻しにすることで正常な状態となったと考えられる。
ただし、7000rpm以上の回転域はもっと燃料を濃くしたほうがフィーリングが良いのではないかということがわかった。また、キャブレターとエアクリーナーボックスの接続部分は、左右方向に狭くなっているので、この部分を広げると高回転がスムーズに回転する可能性が高いので、要改善項目である。

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