CRF250Rallyエンジンオイルの交換手順
カウル付きオフロードバイクの CRF250Rally は、アンダーカウルを外さなくてもエンジンオイルを排出することができますが、不要なトラブルを避けるためにアンダーカウルを脱着したオイル交換の方法を記録しておきました。
手順は、
- カウル(フロントパネル、アンダーパネル)を外す
- エンジン下部の点検清掃
- エンジンの暖気でオイルの粘度を下げる
- ドレーンボルトからエンジンオイルの排出
- エンジンオイルの注入
- オイルレベルの確認と点検
- カウルの組み立て
と言うふうになると思います。
オイル交換時のカウルの外し方
CRF250Rally のアンダーパネルには、ドレーボルトの位置にオイル交換用の穴が空いているので、パネルを外さなくてもオイル交換は可能です。
オフロードを走行する方は、パネルを外してエンジン下部の点検をしながらオイル交換を行うことをオススメします。
フロントパネルの外し方

フロント側のパネルの4本の5mm六角穴ボタンボルトを六角レンチで外します。(走行中に緩んで紛失しやすいボルトなので、パーツ番号を記しておきます)
フロントパネル外すのは少し手前上方に動かすと簡単に外れます。
※パーツリスト画像の番号9番のパーツナンバーは、 「 90134-KPP-00T 」スクリュー、パン 5X14

アンダーパネルを外す

アンダーパネルの前方にある2本の10mmのボルトを外します。
奥まっているのでソケットレンチ(エクステンションバーとラチェットハンドル)で外す方が良い。
アンダーパネルを前方に引き出すようにすると外れます。
アンダーパネルの後の部分がフレームのところに挿(ささ)さる構造になっています。

アンダーパネルは、樹脂?プラスティック ?なので、弱いのですが、意外と割れたりしないのですね。(林道走行等で石に乗り上げるとアンダーパネルは破損し、オイルパンの部分が割れて走行不能になった記事を見たことがあるので注意しよう。)
以前に、左前のサイドパネルとの接合部分のネジの止まる部分は破損したことがあります。修理した記事は、「材質PPポリプロピレンの割れ修理」にあります。

材質PPポリプロピレンの割れ修理
CRF250ラリーのアンダーカウルの材質ポリプロピレンの破損をホットステープラで接着してみました. 結果は良好でした.
アンダーパネルを観察すると、オイルの排出口があるので、2つのパネルは付けたままでもエンジンオイルの交換は可能な構造です。
オフロード走行する方は、オイルの交換と同時に、エンジンの下側部分の泥汚れ等をきれいにしたり、フロントタイヤが跳ね上げた石がヒットした損傷部分の確認をするためにアンダーパネルまで外してオイル交換したほうがトラブルは少ないと思います。
エンジン下部の点検

エンジンオイルを短時間に排出するためにエンジンを始動して温めるのですが、その前することは、最低限ドレーンボルトの周辺をパーツクリーナーとペーパータオルなどで、きれい汚れを拭き取った方が良いでしょう。
さらに、目視で点検しオイル漏れなどの不具合がないか確認しましょう。
項目ごと
- ドレーンボルト周辺をきれいにする
- オイル漏れ等がないか点検する
エンジンオイル交換方法
どのバイクでもオイル交換の方法はそんなに変わらないと思います。
エンジンオイルを温めてオイルの粘度を下げて排出しやすくする
エンジンを始動し、3−5分程度温める。
エンジンが熱すぎると火傷の原因となるので、ほどほどに温めた方が良いだろうと思います。

エンジンオイル排出ドレーンボルトの確認
エンジンオイルの排出ボルトは左側の下面にあります。
サイドスタンドを使うと車体が左に傾くので、できるだけ古いオイルを抜くためには当然の場所なのですが。
この画像には、アンダーパネルを後方へ差し込む部分が写っていたので、赤い矢印で記入しておきました。
オイルをオイル受けに排出
エンジンの下部は、泥で汚れやすいので、ゴミがエンジン内やボルトやネジの溝に付着していると、トラブルの原因になりますので、ドレーボルトを抜く前に、きれいに拭き取った方が良いと思います。

ドレーンボルトを外す
手が汚れていたので、写真撮影してないですが、
ドレーンボルトは、そんなに強く締まっていませんが、ボルトがナメないようにソケットレンチかメガネレンチで緩めましょう。
少し回してボルトが緩んだら、ゴム手袋と軍手を片手に着けてドレーボルトを指で緩めていきます。
ドレーンボルトが外れる瞬間にオイルが出て来ますので、特にエンジンが熱い時は注意が必要です。
CRF250は、パッキンがエンジン側に付着していることが多いです。
CRF250にドレーンボルトには、アルミ製パッキンが使われていました。
毎回交換するようにマニュアルにはあるかもしれませんが、潰して使うタイプではなさそうだし、ほとんど傷らしい傷がないので再利用します。(オススメはしませんが)
フィラーキャップを外す
エンジン右側(クラッチ側)の黒いフィラーキャップを外す。
完全にオイルが排出されるまで、時間がかかりますので、しばらくコーヒータイムですね。
少しくらい、排出できないオイルがあっても影響はないので、そこまで神経質になる必要はないと思いますが。
※フィラーとは、「詰め物」の意味です。
手を汚さないドレーンボルトの外し方
CRF250Rallyのドレーンボルトは下方向に取り付けられています。
ドレーンボルトの頭を片手で押しながら緩め、完全に外れるまでドレーボルトの頭を指で押さえつけておきます。
次に、素早くボルトを横方向に移動させると、手にオイルが付着しないので、試してみてください。
※ドレーン 排出という意味
エンジンオイルを注入作業
ドレーボルトを締める
ドレーンボルトにアルミ製パッキンを忘れずに付けて、オイルの排出口(ドレーン)を閉じます。
トルクレンチを使って締めた方が良いでかもしれませんが、自分は適当です。(自己判断でお願いしますが、エンジンの振動でネジは外れやすいですが、エンジン側はアルミ製なので強すぎない方で調節した方が良いかもしれません。)
エンジンオイル注入
フィラーキャップとそのネジ穴もゴミ付着をきれいに拭き取ります。

車体を垂直に
エンジンオイル注入口からエンジンオイルを入れていきますが、車体が真っ直ぐな状態でオイルのレベルを確認するので、なんらかの方法で車体を真っ直ぐにしてください。
自分は、サイドスタンドに2cmくらいの木片を挟んで、反対側に、木の棒の端材をつっかえ棒にしました。(バイクを倒さないように注意)

オイルを入れる
オイルの注入口は小さいのでジョーゴを使う方法もある。
オイルの缶に注入口があれば、ジョーゴは必要ない。
きれいなオイルが入ると、オイルの点検窓にオイルの入っているレベルに達します。

フィルター交換なしで1.4L必用です。
純正オイルは 1L 缶で販売されていることが多いので、2缶準備することを忘れない。
オイルレベルの確認
マニュアル

マニュアルには、エンジンを3−5分ほどアイドリングさせる。
エンジン停止して2−3分待ってから車体を立てた状態でオイルレベルを上限にするように書いてあります。
オイルレベルの点検
マニュアル通りエンジンをアイドリングさせてエンジン停止2−3分後にオイルレベルを見ると、オイルレベルが少し下がっているので、上限と下限の中間までオイルを足しました。(マニュアルは上限)

写真は、エンジンを始動したので、古いオイルと混ざって透明だったオイルがお茶みたいな色になってしまいました。
今回は、オイルフィルターの交換は省略したので、仕方ないかもしれない。
おっと、エンジンを始動するときは、一応オイルフィラーキャップ(マニュアルではフィルキャップ)は閉めてくださいね。
それと、ドレーンボルトからオイルが滲んでいないかチェックを忘れないでください。
エンジンオイル量について
基本的にエンジンオイルの量は、点検窓の上限と下限の間にあれば問題はないと思います。
空冷エンジンの場合は、オイルの消費が多めですが、水冷エンジンはエンジンオイルの消費はほとんどないので、レベルの中間で問題ないと考えます。
ただし、オイルの消費量には走行距離などによる個体差があるので、安全を考えるのであればレベルの上限が良いと思います。
でも、オイルレベルの上限を超えるのはダメです。
カウルの組み立て
フロント、アンダーパネルを取り付ける
パネルの取り付け前に、オイル漏れ等がないか確認しましょう。
工具類

パネルの取り付けは、構造を理解していれば難しくないのですが、バイクの低い位置にあって作業はめんどくさいです。
アンダーパネルの取り付け

アンダーパネルは、後ろ側の隙間に差し込む感じ。
サイドパネルの下側に穴が開いているので、そこにアンダーパネルの突起を差し込む形となる。(上の写真)
前方の内側から左右の突起がうまくハマっているか確認できます。(写真は無し)

アンダーパネルの前方を2本の10mmのボルトで固定する。
最初にも書きましたが、奥行きがあるのでボックスレンチのエクステンションかロングソケットがあると便利です。
フロントパネルの取り付け
写真のアンダーパネルの隙間(矢印)に下の写真のフロントパネルの突起を差し込む形となる


フロントパネルの下側をはめ込みながら上側を抑える感じです。
フロントパネルを4本の5mm六角レンチで止めればOKです。
振動で外れやすい傾向があるので、ネジロック材等を使ってみるのも良いかもしれません。

最終確認
バイクの周辺に何も残った部品やボルトナット等がないか確認します。
ボディーのパーツを触ってみて、緩みやガタがないかみます。
エンジンを始動してみて、焦げたり、変な匂いがしないか異音がないか確認します。
エンジンオイルがエンジンに付着していると、オイルのこげる匂いがするかもしれませんが。