新しいエンジンマウントとミッションマウント
車検の時にディーラーでエンジンマウントとミッションマウントを交換してちょうだいねとお願いしたら、7万円かかりますと言われました.
部品代は1万円もしないのだが、工賃が高いそうだ.
じゃあ、部品だけ注文して、車検終了時に部品だけ引き取ることにした.
だって、金欠なのに7万円は大きい.
暇になったら、交換するかと軽い気持ちでいました.
エンジンを浮かす準備
エンジンルームで外すものは、エンジンとボディと接続されているパーツ
- ストラトタワーバー
- インタークーラー
- エアクリーナーからのインテークパイプ
- ピッチングストッパー
エンジンが持ち上がると干渉しそうなものは外した方が良いだろう.
ゴムホース類は柔軟性があるので、ある程度の余裕があるので、外しませんでした.
車体の下からアクセスするので
4本のウマに載せて車体を浮かせる.
この状態で車体の下にもぐるのですが、何かあったら怖いので、車体の下にタイヤでも入れておくと少し安心できる.
エキゾーストパイプを外す
高温になるボルトナットには、KURE CRC556(ゴムやプラスティックには付着させないように)をスプレーしてしばらく放置する.
エキゾーストパイプ出口の遮熱版を外す.
遮熱版を外してフランジの3本のボルトナットを外す.ガスケットが挟まっているので傷つけないように注意.
エンジンの排気ポートとエキゾーストパイプの部分は、左右3本のフランジナットで固定されているので、6本の少しずつ緩める.このナットを外すとエキマニ約10kgが落下するので、左右のナットの一つずつを少し掛かった状態で、エキゾーストパイプを保持し最後は指で左右のナットを外す.エキゾーストパイプの落下に注意しよう.
アンダーカバーがあるせいか、17年も使っているのに、エキゾーストパイプはとても綺麗でした.
ガスケット類は全く損傷等がない状態なので再利用します.
エキパイのナットも綺麗
タービンにつながるボルトは少し錆があったけど、全く問題なく再利用することにしました.
※KURE CRC556は、ゴムを劣化させる報告がみられます。
ミッションマウントの交換
STI製ミッションマウントに交換します.
ミッションマウントは、単純な構造なので、誰でも交換できそうですが、メンバーとボディを留めているボルトは固くしまっているので、ロングスピーナー等の準備は必要かもしれません.
エンジンマウントに乗っている時は、ミッションマウントを取り外しても大丈夫だそうですが、自分は軽くジャッキで固定しました.
交換後は、続けてエンジンマウントを交換するので、ミッションマウントのナットは写真のように、先端につけたまま締め付けないようにしました.
エンジンマウントとメンバーを分離
左右のメンバーとエンジンマウントを固定するナットを外す.
メンバーとエンジンマウントは14mmナットで結構硬く締められていたので、ディープソケットとロングスピナーの組み合わせで、ナットがナメないようにソケットの角度を合わせて、緩めました.
写真は運転席側のエンジンマウントを固定するナットです.
メンバー側は、傾いているので長穴になっています.
左右のナットを外すと、ボディからエンジンを浮かすことができます.
エンジンを持ち上げる
エンジンのオイルパンにジャッキをかけて、木片を挟んで、上げていきます.
エンジンマウントの位置を確認しながら、エンジンルームに干渉するものがないか確認しながら上げます.
ラジエーターにつながるホース、エアコンのホースは、パンパンになるのでちょっと心配になります.
少し運転席側の上がり方が少ないのが気になります.
エンジンマウントの脱着
オイルパン(中央の黒い鉄製の変形した桶)の左右にメンバーから少し浮き上がったエンジンマウントが見える(下の写真)
エンジンとエンジンマウントの切り離し
エンジンとエンジンマウントは、14mmボルトです.
相手がアルミなので、比較的簡単に緩みました.
しかし、運転席側(右側)のエンジンマウント後側のボルトには手が届きそうにありませんでした.
まじか?
ボルトへ手がかろうじて入って、指先が届く位置までジャッキを上げると、エンジンルームのブレーキタンクの先端と配管が接触し少し変形、ラジエーターに行くホーズもパンパンの状態だった.
目一杯エンジンを上げても、右エンジンマウント後ろ側のボルトの頭に指先がやっと届くくらいでした.
指が届けばなんとかなるか、少ない脳みそがフル回転します.
ネットや動画があって、板ラチェットを使えば良いらしい.
外すのは、可能かも知れないが、ハメる自信がない.
でも、いい案が浮かびました.
外すのは、長めの14mmの板ラチェットレンチ、それも首が曲がるタイプがあれば、良いと思います.
取り付けは、最初のボルトがネジ穴にうまく噛むことが問題となります.
板ラチェットにボルトを乗せて穴の位置に持っていき、そのあと指でボルトの頭を軽く抑えながら穴に噛み合うようにすれば良いと考えました.
そして、穴の角度はエンジン側に少し傾いているので、板ラチェットで角度を合わせて、ネジが噛み合うまでトライします.
ネジが上手く噛み合ったら、ひたすらネジの頭を抑えながら、締めていきます.
板ラチェットを一度振っても、30度程度しか回転できないので、ネジを一回転させるには12回も必要です.
ただひたすら根性ですね.
写真は、新しいエンジンマウントが取り付けられた後の、右後ろのボルトです.
エンジンマウントの比較
あらかじめネットで調べてあった、純正に使われているエンジンマウントの遮熱版とフランジナットを使った方が良さそう、ということですが、
GDB-Fのエンジンマウントには遮熱版は未装着だったので、STIの付属のものを使用しました.(排気のパイプ側に遮熱版があるので、あまり気にしていないのだけど)
また、ゴムのマウントとシルバーのエンジン側のホルダーを固定するフランジナットが新たに必要なので準備する必要があります(GDB-Fのみ)
自分は、過去に使用していた 中古の14mmのフランジナットを引っ張り出して使用しました.
ホームセンターで売っている一般的な M10 P=1.25のナットはネジのピッチが合いませんでした.(注意)
※クルマ用のボルトナットは、M10 P=1.0 かな
エンジンマウント装着
エンジンマウントのホルダーとエンジンのブランジボルトの取り付けは、右の運転席側の一本は狭くて苦労しましたが、残りの3本は簡単に取り付け可能でした.
先にも書きましたが、この方法でエンジンマウントを交換する場合は、ロングのフレックス・メガネ・ラチェット・レンチは必須だと思います.
取り付けるには、最低ボルトに人差し指が届くくらいエンジンを持ち上げる必要があります.
ラチェットの回転方向を合わせて、メガネレンチにフランジボルトをのせて、ライトを照らしながら確実にネジ穴まで持っていきます.
ネジと穴の角度を注意深く合わせ、ラチェットを持っている反対の手の人差し指、または、中指でボルトの頭を押さえながら、ラチェットメガネレンチを注意深くネジを占める方向に回転させます.
うまくネジが噛み合ったら、ラッキーです.
ネジ穴がバカにならないように細心の注意が必要です.
ネジがバカになったら、補器類を外してエンジンを吊り上げないと、ねじ山の修正はできませんから.
下の写真は、STIのエンジンマウントを装着しエンジンのジャッキを取り外してから撮影しました.
エンジンを下ろす時にメンバーの穴とエンジンマウントのボルトが上手く合わない可能性があるようですが、自分の場合は、問題なく一発で入りました.
マウントとメンバーをナットで固定して完成ですね.
外した部品を元に戻す作業
この後は、ひたすら組み立てる.
エンジン下部
- ミッションマウントの固定
- エキゾーストパイプとフランジの遮熱版の装着
エンジン上部
- ピッチングストッパーの取り付け・固定
- エアクリーナーからのインテークパイプ等
- インタークーラーの装着
- ストラトタワーバーの装着等
各部のボルトナットの締め忘れの確認等を行ってからエンジン始動と排気漏れ等の確認を行う.
ゴムの配管が、引っ張られているので抜けていないか確認を行った方が良いでしょう.
STIエンジンマウントの効果
アイドリング付近の振動は、ほとんど変化がないように思います.
エアコンをONにすると、アイドルアップで少し振動が気になることがある.
加速では、少しレスポンスが良くなったようにも感じる.
ハンドリングがクイックになったような気がする.
ミッションマウント・エンジンマウントの交換による効果は、良好に感じます.
特に、ハンドルの切り始めの感触はリニアに反応しますね.
ただ、路面の振動を感じやすくなったかもしれません.
車高調整式サスペンション・オーリンズのDFVの減衰力を少し下げてみようかなと考えています.
メモ
部品番号
STI エンジンマウント ST4100055110 ・ ST4100055120
STI ミッションマウント ST410224S000