「シフトレバーがぐらぐら」の原因
ネットを調べてみると、スバルのミッションのシフトレバーのグラグラは、古くなったクルマで見られる現象のようです.
ギアシフトASSYを取り出して調べてみると原因は、ギアシフトのクロスした2つのジョイント内のプラスティック様のブッシュの一方は粉々で残った破片もわずか、もう一方は、分解して取り出してみると、すでに割れていました.
この部分のブッシュの素材はゴムではなく、プラスティック様(ウレタンか)で振動を吸収するというよりも金属の接触と摩擦による異音の抑制を目的にしているようだ.
内部の金属の棒とブッシュの当たり面を見ると潤滑不足による摩耗が見られました.

6速MTのギアシフトの分解方法
スバル6速MTのギアシフトASSYごと、取り外してみましょう.
車体の下からシフトジョイントのある部分を覗いてみると、届きそうもないところにある.

ブッシュの破損は起こり得る部分なので、簡単に交換できるようにして欲しいと、スバルに言いたい.
だが、そんなことを言っても直るわけではないので、先に進めよう.
シフトジョイントの位置は、ミッションケースの後ろ側でドライブシャフトの左上あたりに位置します.
どのように外せば良いのか.
ズバリ、わからない.
ネットであれこれ調べてみると、ギアシフトASSYごと外すようです.
後から抜くことになるスプリングピンが見えやすいように、シフトレバーを4速(偶数段)に入れて置くとピンの位置が見やすい位置になる(と思う).
邪魔者はどかしましょう.
下の写真の矢印の2つの黒いパーツ(ミッションのメンバーかな)は邪魔だな.
17年間固定されていたボルトとナットなので、結構硬く締まっていました.(50cm くらいのロングスピナーハンドル 差込角12.7mm 1/2インチを使用 )
O2センサーの線がミッションのメンバーにプラスティック部品で留められていたので注意してね.
ミッションマウントにミッションが載っていますが、エンジンマウントの支えがあるので、ミッションは落ちてこないはず.


シフトノブから伸びるバックキアに入れるためのワイヤーが割ピンで留まっているので外す.
ピン側にワッシャーがあるので紛失に注意.
シフトリンケージのブッシュ部分は、ボルトを抜くスペースはないが、固定具に切り欠きがあるので、全部ボルトを抜く必要はない.

シフトリンケージをミッションケースに固定していた金具をボルト3本を外して除去する.(写真なし)
内側のピンを打ち抜く(下の写真)
4.5mmポンチとエクステンションと12mmボックスがちょうどよかった.
金槌で叩く.
内側のピンは簡単に抜けたが、外側のピンは6mmポンチで少し強めにハンマーで叩く必要があった.

この部分のピンは、スプリングピンというらしい.
写真は、十字に溶接されたシフトリンクのボルトが抜けないか試みたところだが、スペースが足りなくて断念した痕跡です.
スプリングピンが抜けたので、ギアシフトASSYごと取り外します.

写真にはないですが、ギアシフトASSYの後方にゴムブッシュで固定された2本のボルトを外して、室内側から取り出します.
この時、室内側のリンクを外した方が、良いかもしれません.
室内側のリンクを外したら、ギアシフトASSYごと取り出さずに、クロスジョイントだけを取り出して交換できるかもしれません(未確認)

問題のジョイントを分解して、対策を考えているところです.

GDB-Fから取り外したクロスジョイントは、センターではなく、少しずらして溶接されていました.
ネットで適当に買ったクロスジョイントはセンターで溶接されていたので、GDB-Fには使えませんでした.

ブッシュ(カラー)のみを使用しました.(無駄な出費でした)
ブッシュの内側にある金属の筒は、ついていたものを#1000くらいの耐水ペーパーで段差を修正して荒めのコンパウンドで粗めの傷をとって、グリスを付けて組みました.
クロスジョイントを組む時の向きは、力のかかる方向を直線にすれば良いのかな.
でも、シフトレバー側の偏心したコの字の意味が理解出来ないのだが…..

スリップピンについて
私自身「スプリングピン」というものが初めてだったので、詳しく記録しておきます.
スバルのマニュアルトランスミッション( MT )のギアシフトチェンジとミッションの接続にスプリングピンが使用されていました.
スプリングピンは長さ 28.5mm が太いピンの中に細いピンが入っていました.
写真のように、サイズの合ったポンチを用意します.(Amazonで買いました)
目的のスプリングピンの位置までドライブシャフトなどが邪魔で短いポンチではハンマーで叩けないくらい距離があるので、ソケットレンチのエクステンションにポンチの持つ部分にすっぽりはまり込むサイズのソケットをはめ、大きめのハンマーを使えば、簡単に脱着できました.
挿入時は、ポンチとスプリングピンをマスキングテープ等で固定して目的の穴と方向を定めるのが良いでしょう.

インプレッサのモデルで互換性がないかも
インプレッサのギアシフトASSYは、モデル互換性は少ない様です.
私のGDBはF型ですが、互換性があるのは、GDB F-G型だけの様です.
ギアシフトのクロスジョイントを購入時は気をつけましょう.(購入は、正確な部品番号がわかるのならば、モノタロウが便利ですが、わからないのであれば、ディーラーで自分のクルマに合った部品を注文すべきですね、自分自身の反省です.)
ブッシュを交換するだけならば問題ないと思います.
GDB と GC8 のブッシュの互換性もなさそうでした.(未確認)
組み立て
スプリングピンの挿入
スプリングピンは、太い方から打ち付けていきます.
穴の位置が正確に合うように、穴に一度細いドライバーを刺してみると良いかもしれません.
この時、穴の向き(スプリングピンを打ち込む向き)を確認しておくと良いと思います.

6mm のポンチを使って外側のスプリングピンを打ち込みます.
外側のスプリングピンは少し硬く入りずらいかもしれません.
打ち込む角度に注意しながら慎重に打ち込みましょう.

外側のスプリングピンが入って、
次は4.5mm のポンチを使って、内側のスプリングピンが半分程度入ったところの写真です.
内側のスプリングピンは、比較的簡単に入っていきました.

下の写真では、スプリングピンが穴から少し飛び出ているが、ピンをシャフトの中央で固定するとこのくらいとび出る計算です.
穴の空いたパイプの径は 22 mm スプリングピンの長さが約 28 mm だったので、ピンを穴の中央に置くには、手前に 2 mm 程度顔を出す状態にするのが良いと考えたからです.

シフトリンケージの組み立て
シフトリンケージを固定する金具を3本のボルトでミッションケースに固定します.

シフトリンケージとバックギア用のワイヤをワッシャーを入れて割りピンで固定します.
どちらも、グリスアップした方が良いと思います.

後ろ側にあるゴムブッシュもゴムと金属が接するところにグリスアップしたけど、
このブッシュを固定する2本のボルトの固定に手こずりました.
ボルトの向きが、少し下向きなのね.

室内のシフトレバー部分の組み立て
室内側のギアシフトの部分を組み立てていきます.
室内側のリンクのブッシュは問題なかったので、グリスアップのみです.

結局、交換したのは、シフトジョイントリンクのブッシュを4枚交換し、あとは、清掃とグリスアップだけでした.
シフトレバーはカチカチので新車のようなフィーリングが復活しました.
18年10万キロ走行でシフトブッシュが破損したので、次回の破損までクルマを維持できるかどうかわからない.
もしも、2度とシフトブッシュの交換をしたくなければ、サイズを測って、モノタロウで最適なローラーベアリングをブッシュの代わりに入れてみるのも面白いかもしれません.
参考記事
STI製 インプレッサ・GD STIギヤシフトレバーASSY(6MT)
【部品番号】ST350104S030(6MT用)
【適応】GD (F型〜G型)のパーツナンバー